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新NISAとは?~旧NISAから変更された点や活用方法を解説~

老後生活の分野 2024-06-20

NISA(少額投資非課税制度)とは、投資で得られた利益に税金がかからなくなる制度のことです。

2024年1月からは新NISAが始まっており、より多くの金額を長期にわたって非課税で運用できるようになるなど、さまざまな点が進化しました。

今回は、新NISAの魅力や旧NISAとの違い、活用方法を解説します。

そもそもNISAとはどのような制度なのか

通常、投資信託や株式などの金融商品から得られた売却益・分配金・配当金などには、20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%)の税金がかかります。

一方、NISA口座で投資した金融商品から得られる利益には、税金がかかりません。

たとえば、50万円で購入した投資信託を、3年後に80万円で売却したとしましょう。

本来であれば、売却益30万円の約20%である約6万円の税金がかかりますが、NISA口座で運用をしていたのであれば非課税となり、利益のすべてが手元に残ります。

新NISA制度のポイント

新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という2つの非課税枠が設けられました。

つみたて投資枠は、旧制度のつみたてNISAの役割を引き継ぐ制度です。対象商品は、金融庁の定める長期・積立・分散投資に適した投資信託です。

成長投資枠は、一般NISAの役割を引き継ぐ非課税枠です。つみたて投資枠よりも投資信託の選択肢が多いだけでなく、国内株式や外国株式など幅広い金融商品に投資できます。

1年間で新規投資できる金額や商品を非課税で保有・運用できる期間は、以下の通りです。

※画像引用:金融庁「NISAを知る

新NISAの開始にともない、つみたてNISA、一般NISA、および未成年を対象としたジュニアNISAは、2023年末をもって新規投資ができなくなりました。

また、新NISAではジュニアNISAに変わる非課税枠は設けられていません。

では、新NISAはどのような点が変更されたのでしょうか。以降では、新NISAの特徴や旧NISAから変更された点をご紹介します。

つみたて投資枠と成長投資枠を併用できる

旧NISAでは、つみたてNISAと一般NISAのどちらか一方しか選択できませんでしたが、新NISAは、つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能です。

たとえば、つみたて投資枠でコツコツと投資信託を積み立てながら、成長投資枠で今後の成長が期待できる株式の個別銘柄に投資することができます。

資産運用の目的や自分自身の投資スタイルなどに合わせて、2つの非課税枠を使い分けられる点は、新NISAの主要な特徴といえます。

年間投資枠が拡大

新NISAの年間投資枠は、つみたて投資枠が120万円(月額10万円)、成長投資枠が240万円(月額20万円)です。

旧NISAの年間投資枠は、つみたてNISAが40万円(月額約3.3万円)、一般NISAが120万円(月額10万円)でした。

そのため、つみたて投資枠はつみたてNISAの3倍、成長投資枠は一般NISAの2倍に拡充されたといえます。

また、つみたて投資枠と成長投資枠は併用できるため、1年間で合計360万円(月額30万円)まで新規投資ができます。

非課税保有期間が無期限に

新NISAは、専用口座で新規投資した商品を非課税で保有できる期間が、無期限に延長されました。

旧NISAの非課税保有期間は、一般NISAが最長5年※、つみたてNISAが最長20年でしたが新NISAにはこのような期限はありません。

※ロールオーバーをすると最長10年まで保有が可能

つまり、新NISA口座で投資した商品は、いつまでも保有することができ、その間に得られる配当金や分配金などはすべて非課税になるということです。

また、制度内容の変更などでNISA制度が途中で終了しない限り、どのタイミングで売却しても売却益に税金がかかりません。

新NISAは、旧NISAと比較して商品を保有する期間や売却するタイミングをより柔軟に決めやすくなったといえます。

1,800万円の非課税保有限度額が新たに設定

新NISAでは、1人あたり1,800万円の非課税保有限度額が新たに設けられました。

一生涯を通じて、つみたて投資枠と成長投資枠を合計して1,800万円までの金融商品を保有できます。ただし、成長投資枠の上限は1,200万円となります。

旧NISAに非課税保有限度額はありませんでした。しかし、非課税保有期間に限りがあったため、つみたてNISAは「40万円×20年=800万円」、一般NISAは「120万円×5年=600万円」が実質的な上限でした。

また、つみたてNISAと一般NISAはどちらか一方を選択する必要もあったため、新NISAは旧制度よりも多くの商品を保有できるようになったといえます。

なお、非課税保有限度額は、商品を購入したときの金額(簿価)で管理されるため、投資した商品の価格変動の影響を受けることはありません。

非課税保有限度額は再利用が可能

新NISAは、保有している商品を売却すると、翌年に非課税投資枠が再利用できるようになりました。これは、旧NISAにはない仕組みです。

たとえば、1,000万円の非課税投資枠を利用しており、残りの非課税投資枠は800万円であるとしましょう。

この状態で、購入時の価格が200万円分の商品を売却すると、翌年には利用中の非課税投資枠が800万円に減り、そして、残りの非課税枠は800万円から1,000万円に増加します。

非課税保有限度額を再利用できるようになったことで、状況に応じて商品を売却するという選択をしやすくなり、より柔軟な運用が可能となりました。

開業医が新NISAを活用する方法

開業医は日々の診療業務に追われる多忙な毎日を送っているため、投資する金融商品を選んだり、相場をチェックして取り引きをしたりするのが困難です。

そのため、開業医の場合は、新NISAで投資信託を毎月一定金額ずつ積み立てるというのが基本的な活用方法となります。

基本的にはつみたて投資枠で積立投資をする

投資信託の積立投資であれば、商品を選び毎月の積立額などを設定すると、あとは自動的に商品が積み立てられていくため、本業に支障をきたすことなく資産形成ができます。

とくに、金融商品に投資をした経験がない方は、つみたて投資枠の対象商品から積み立てる商品を選ぶと良いでしょう。

世の中には、何千という膨大な数の投資信託が取り引きされていますが、つみたて投資枠の対象商品は289本に厳選されているため、初心者でも選びやすいといえます。

※出典:金融庁「つみたて投資枠対象商品

成長投資枠を活用するケース

つみたて投資枠の年間投資枠は120万円であるため、それを上回る金額を投資できるだけの余剰資金がある場合は、成長投資枠を併用するのも1つの方法です。

2つの非課税枠を併用すると、年間360万円まで新規投資ができるようになり、1,800万円の非課税保有限度額を最短5年で使い切ることができます。

利回りが同じである場合、投資元本が多い方が得られるリターンも多くなります。

非課税保有限度額を早期に使い切り、多くの投資元本を非課税で運用することで、より多くのリターンが期待できるでしょう。

また、国内株式や外国株式の投資に挑戦してみたい方も、成長投資枠を利用するのが良いといえます。

資産運用の際は新NISAの有効活用を

新NISAは、旧NISAをベースにしながらも、非課税投資枠の拡大や非課税保有期間の無期限化などさまざまな点が改善されました。

また、つみたて投資枠と成長投資枠の併用や、商品の売却による非課税保有限度額の再利用など、旧NISAには仕組みがあります。

そのため、投資の初心者から上級者まで、幅広い人にとって使い勝手の良い制度になりました。低金利が続く現代において、将来に向けた資産形成をする際、新NISAは積極的に活用したい制度といえます。


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