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教育資金の準備に活用できる生命保険とは?~商品内容やメリットを解説~

ヒトの分野共通項目 2024-07-19

子どもの教育資金を準備する際に、預貯金と並んで活用されることも多いのが「貯蓄型の生命保険」です。

ひと昔前は、教育資金を準備するための生命保険は「学資保険」が主流でした。しかし昨今では、終身保険や養老保険で教育資金を準備する方もいます。

今回は、教育資金の準備に活用できる生命保険の種類や特徴、注意点を解説します。

「学資保険」は教育資金の準備にもっとも活用される保険

学資保険は、子どもの教育資金を準備することに特化した生命保険の一種です。

契約者である親や祖父母などが保険料を払い込むと、被保険者(保障の対象となる人)である子どもが所定の年齢になったとき、満期保険金や学資金、お祝い金が支払われます。

学資保険の特徴

学資保険は、貯蓄が苦手な人でも教育資金を準備しやすい商品です。

口座振替やクレジットカード払いなどで保険料を支払っていくため、ついつい後回しにしてしまいがちな貯蓄とは異なり、教育資金の積み立てを続けやすいといえます。

また、学資金や保険金を受け取るタイミングを選べるのも、学資保険の主な特徴です。

「子どもが18歳になる年に一括で満期保険金を受け取る」「子どもが大学に進学する年から毎年学資金を受け取る」など、保険会社が定める範囲で受取方法を選べます。

商品によっては、小学校や中学校、高校に進学するたびにお祝い金を受け取り、進学時の資金とすることも可能です。

さらに、学資保険の多くには「保険料払込免除」の仕組みがあります。契約者である親に万が一のことがあった場合、以後の保険料の払い込みは免除されます。

保険料の払い込みが免除されたとしても、子どもは契約時に決めたタイミングで満期保険金や学資金、お祝い金を受け取れるため、学資金をほぼ確実に用意することが可能です。

学資保険の注意点

学資保険の保険金額は、200万〜300万円程度に設定することが多く、高額な教育資金の準備にはあまり適さない可能性があります。

たとえば、私立大学の医学部や歯学部に進学をする場合、学費の合計額が3,000万〜5,000万円になることもあるため、学資保険のみで資金を準備するのは難しいかもしれません。

また、途中で解約をすると、戻ってくる解約返戻金の額が支払った保険料の総額を下回ることがあります。

学資保険で教育資金を準備する場合は、無理なく支払っていける保険料に設定をすることが大切です。

教育資金は終身保険や養老保険でも準備が可能

教育資金の準備に活用できる生命保険は、学資保険だけではありません。他にも「終身保険」や「養老保険」といった貯蓄型の生命保険で教育資金を準備することも可能です。

ここでは、終身保険と養老保険の商品内容や主な特徴を解説します。

終身保険の商品内容と主な特徴

終身保険は、一生涯にわたって死亡と所定の高度障害状態に備えられる生命保険です。

途中で解約をしない限り、保険金受取人は契約時に定めた金額の死亡保険金をほぼ確実に受け取れます。

そのため終身保険は、葬儀費用や遺品の整理費用、お墓の購入費用の準備など、さまざまな目的で活用されることの多い生命保険です。

また、終身保険には貯蓄機能があり、契約途中で解約をすると解約返戻金を受け取れるのが一般的です。

保険料の払い込みを終えたあとに解約をすると、払込保険料の総額を上回る解約返戻金を受け取れることもあるため、終身保険は老後資金や教育資金などの準備にも役立ちます。

養老保険の商品内容と主な特徴

養老保険は、保険期間内に亡くなったときだけでなく、期間の満了まで生存をしたときも保険金が支払われる商品です。

万が一死亡した際に支払われる死亡保険金と、満期まで生存していた場合の満期保険金は同じ金額です。

保険期間は「10年間」や「65歳まで」など、保険会社が定める範囲で選べます。

保険期間の満了を子どもの大学進学などと合わせると、受け取った満期保険金を教育費の支払いに充てることが可能です。

また「65歳を満期とし、65歳までは死亡に備えながら、満期を迎えたときは満期保険金を老後資金として活用する」といった使い方もできます。

終身保険や養老保険で教育資金を準備するメリット

終身保険や養老保険で教育資金を準備する主なメリットは、以下の通りです。

  • 万が一に備えながら積み立てができる
  • 多額の教育資金を準備できる
  • 柔軟に活用できる
  • 外貨建て保険や変額保険も選べる

ここでは、それぞれの保険のメリットを生かした活用法を詳しく解説します。

万が一に備えながら積み立てができる

終身保険や養老保険には、死亡保障があります。被保険者が亡くなった場合には死亡保険金が支払われるため、遺された家族の生活費や子どもの教育費に充てることが可能です。

一方、学資保険は保護者が亡くなったときに保険料の払い込みは免除されることはあるものの、基本的に死亡保険金が支払われません。

教育資金の積み立てと万が一死亡したときの備えを1つの契約にまとめられるのは、終身保険と養老保険の大きな特徴といえます。

多額の教育資金を準備できる

終身保険や養老保険は、保険金額を数千万円や数億円に設定することも可能です。

養老保険の場合、死亡保険金と満期保険金は同じ金額であるため、死亡保障額を高くすると満期時の受取額も同じ分だけ高くなります。

終身保険は、基本的に死亡保険金額が高くなると、解約時の返戻金も高くなる仕組みです。

保険金額を高く設定できる終身保険や養老保険であれば、私立の医学部や歯学部の進学資金の準備にも活用しやすいといえます。

状況に応じて柔軟に活用できる

預貯金など他の方法で教育資金を準備できたとき、終身保険や養老保険の保険金や解約返戻金を別の目的に利用できます。

この点は学資保険も同様ですが、終身保険や養老保険は保障額を高くできる分、使い道の選択肢はより広がるでしょう。

たとえば、趣味や旅行を楽しむ資金の他にも、老後の生活資金や老人ホームに入居するための資金、住宅の修繕・リフォーム資金などに活用することも可能です。

また終身保険であれば、他の方法で教育資金を準備できたときは、そのまま契約を継続できます。

終身保険の契約を継続することで、万が一のときの備えを確保できるだけでなく、契約中は解約返戻金が増えていくため、資産の枯渇を防ぐ際にも役立つでしょう。

外貨建て保険や変額保険も選べる

終身保険や養老保険には、外貨建て保険や変額保険といった選択肢もあります。それぞれの基本的な仕組みは、以下の通りです。

                      基本的な仕組み
 外貨建て
 保険
 ・保険料を米ドルや豪ドル、ユーロなどで運用する仕組みの商品
 ・保険金や解約返戻金などを外貨で受け取ることも
 変額保険 ・払い込んだ保険料の一部を株式や債券などで構成される特別勘定で運用する商品
 ・特別勘定の運用実績に応じて保険金や解約返戻金などが変動する

外貨建て保険は、円建ての生命保険よりも利率(予定利率)が高い傾向にあります。

詳細は割愛しますが、予定利率が高いと生命保険の保険料は安くなるため、外貨建て保険であれば、より少ない積立額で目標とする資金を準備することも可能です。

また、保険金や解約返戻金を受け取るときに、為替相場が円安になっていると、日本円に換算したときの受取額が増え、より多くの資金を準備できる可能性があります。

変額保険の利点は、特別勘定の運用が好調であると保険金や解約返戻金の受取額を増やせることです。加えて、多くの商品で死亡保険金には最低保証があり、運用成果が振るわない場合でも、万一のときに最低保証額は受け取れます。

ただし、外貨建て保険は為替相場が円高に振れたとき、変額保険は特別勘定の運用実績が振るわないときに、元本割れすることがあります。

外貨建て保険には「為替リスク」、変額保険には「投資リスク」があるため、教育資金の準備に活用する際は商品の特性をよく理解することが大切です。

生命保険で教育資金を準備するときの注意点

生命保険で教育資金を準備する場合、一定期間は保険料を支払わなければなりません。

資金が必要になるまでに残された期間が短いと、生命保険で教育資金を準備できない可能性があります。

たとえば、子どもが中学校や高校に進学したあとに、生命保険で大学進学の資金を準備するのは困難です。

子どもが幼いときに、将来の進学ルートを予測するのは難しいものです。

かといって、教育資金の準備を始めるタイミングが遅くなると、生命保険を活用できなくなり、預貯金しか選択肢がなくなる可能性があります。

生命保険で子どもの教育資金を準備するのであれば、できるだけ早い内から将来のライフプランを考えて積み立てを開始するのが望ましいといえます。

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