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生命保険の3つの形とは-終身・定期・養老の特徴-

保険商品 2024-09-20

開業医の方の多くは、ご自身が亡くなったときに備えて生命保険に加入しています。

生命保険の種類は多岐にわたり、死亡保険だけでも「定期保険」「終身保険」「養老保険」の3種類があります。

今回は、定期保険、終身保険、養老保険について、それぞれの保障内容やメリット、デメリットを解説します。

生命保険の3つの種類

本来、生命保険は「人の死亡や生存に関して一定の保険給付が行われるもの」を指します。

生命保険のうち、被保険者(保障の対象になる人)が亡くなったときに保険金が支払われる保険を死亡保険といいます。

死亡保険を大きく分けると、定期保険、終身保険、養老保険の3種類があります。

  • 定期保険:あらかじめ定めた一定期間の死亡保障を得られる保険
  • 終身保険:一生涯にわたって死亡保障が継続する保険
  • 養老保険:保険期間中に被保険者が死亡した場合は死亡保険金が、満期まで生存していた場合は満期保険金が受け取れる保険

万が一の保障を検討するときは、死亡保険の種類やそれぞれの特徴などをよく理解することが大切です。

定期保険の保障内容

定期保険は、保険期間(保障される期間)が「10年間」や「60歳まで」など、一定期間である死亡保険です。

個人が加入する定期保険の多くは掛け捨て型であり、途中で解約しても戻ってくるお金(解約返戻金)はないかあってもごくわずかですが、その代わりに保険料は割安です。

保険期間(保障を受けられる期間)は「全期型」と「更新型」の2種類があります。

全期型は保険期間が満了すると契約は終了するタイプです。一方、更新型であれば満期を迎えても所定の年齢まで契約が自動更新されていきます。

更新の際は、そのときの年齢や保険料率で保険料か再計算されるため、基本的に更新のたびに保険料は増えていきます。

定期保険の死亡保険金は基本的に一括払いであり、また途中で契約内容を変更しない限り、保障額は変わりません。

一方、定期保険の一種である「収入保障保険」では、被保険者に万が一のことがあったときは、保険金が分割で支払われます。また、保険期間の経過とともに、保険金の受取総額は減少していく仕組みです。

定期保険の主なメリット

定期保険の主なメリットは、終身保険や養老保険と比較して割安な保険料で万が一に備えられることです。

生命保険というのは、死亡保障額が高くなるにしたがって保険料も高額になっていきます。

終身保険や養老保険の死亡保障額を高くすると、保険料が過大となってしまい、医師個人の家計やクリニックの経営を圧迫しやすくなります。

その点、定期保険であれば、手厚い死亡保障を低廉な保険料で準備することが可能です。

金銭的な負担を抑えながら、万が一の保障を手厚くしたいときは、定期保険を検討すると良いでしょう。

また、保険会社が定める範囲で保険期間を決めることができるため、生活背景や今後のライフプランなどにあわせて保障を準備しやすいのもポイントです。

「子どもが独立するまで」「クリニックの院長を勇退するまで」など、一定期間の死亡保障を手厚くする際も定期保険が役立ちます。

定期保険の主な注意点

定期保険は保険料が割安な一方で、個人向けの商品では基本的に解約返戻金がありません。

また、保険期間が終了すると保障がなくなり、満期保険金も支払われないため、個人向けの定期保険は資産形成には適さないといえます。

一方、法人向けの定期保険には、途中で解約をすると解約返戻金を受け取れるものもあり、勇退退職金の準備などを目的に加入するケースもあります。

主な法人向けの定期保険は、次の通りです。

  • 長期平準定期保険:保険期間の満了年齢が90歳や100歳などに設定できる商品
  • 逓増定期保険:死亡保険金の額が契約当初から段階的に5倍まで増えていく商品

また、更新型の定期保険への加入を検討する際は、更新のたびに保険料が上昇していくことを押さえておく必要があります。

更新後の保険料負担が重い場合は、保障の減額や特約の解約、保険商品の切り替えなどを検討することになるでしょう。

終身保険の保障内容

終身保険は、途中で解約をしない限り、死亡や所定の高度障害状態に対する保障が一生涯続きます。

保険期間が満了することはないため満期保険金はありませんが、途中で解約をすると経過期間に応じた解約返戻金を受け取ることが可能です。

保険料を払い込む期間には、一定期間または一定年齢まで払い込む「有期払い」と、一生涯払い続ける「終身払い」の2種類があります。

有期払いであれば、払込期間が終わったあとは、保険料を支払うことなく保障を継続することが可能です。

終身払いは、保険料を一生涯支払い続けなければなりませんが、毎回の保険料は有期払いよりも安くなります。

終身保険のメリット

終身保険の主なメリットは、一生涯にわたって万が一に備えられることです。

終身保険に加入している限り、必ず死亡保険金を受け取ることができるため、葬儀費用や遺品の整理費用などの準備に活用できます。

また、終身保険には貯蓄機能があり、途中で解約をすると解約返戻金を受け取ることができます。

払込方法を有期払いにし、保険料の払い込みが終わったあとに解約をすると、払い込んだ保険料を上回る解約返戻金を受け取ることも可能です。

そのため、老後の生活資金や有料老人ホームに入居するための資金などの準備にも活用できます。

終身保険の主な注意点

終身保険の主な注意点としては、定期保険と比べて保険料が割高である点が挙げられます。

とくに有期払いの場合、月々の保険料負担が重くなりやすいです。

終身保険を加入して間もないタイミングで解約をすると、戻ってくる解約返戻金の額が払い込んだ保険料を大きく下回って損をすることがあります。

そのため、終身保険への加入を検討する際は、問題なく支払える保険料となっているかをよく確認することが大切です。

養老保険の保障内容

養老保険は、被保険者の生存と死亡のどちらでも保険金が支払われる「生死混合保険」に分類されます。

保険期間のあいだに被保険者が亡くなったときは死亡保険金が、保険期間の満了まで生存したときは満期保険金が支払われます。死亡保険金と満期保険金は同額です。

保険期間は、10年や20年などの一定年数であるタイプと、60歳や70歳など一定の年齢までのタイプがあります。

ほとんどの養老保険は、保険期間が満了しても更新はされません。契約は終了となり、満期保険金が支払われます。

養老保険のメリット

養老保険の主なメリットは、1つの契約で万が一に備えながら将来に向けた資産形成ができることです。

一定の保険期間が終了すると満期保険金を受け取れるため、子どもの進学資金や老後資金、有料老人ホームに入居するための資金などを準備できます。

保険会社が定める範囲で保険期間をある程度自由に設定できるため、資金の準備目的にあわせた資産形成が可能です。

保険期間を満了する前に万が一のことがあったときは、満期保険金と同額の死亡保険金が支払われるため、残された家族の生活費や子どもの教育費などにも備えられます。

養老保険の主な注意点

養老保険は、死亡保障と貯蓄機能を両立させているため、保険料が割高です。保険料を掛け捨てることはありませんが、保険料負担が重くなりやすい点には注意が必要です。

また、途中で解約をすると解約返戻金が払い込む保険料を下回って元本割れすることがあります。

商品によっては、満期保険金が払い込み保険料を下回ることもあるため、保険金の受取額と

保険料の払込総額をよく確認することが重要となります。

このように、ひと口に生命保険といっても、定期保険、終身保険、養老保険で特徴や活用の仕方はまったく異なります。

開業医が万が一の備えを検討するときは、商品の特徴をよく理解し、加入目的を整理したうえで、自分自身に合ったものを選ぶことが大切です。


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